ノーマライゼーションとは、「障害をノーマルにするということではなく、
障害者の住居・教育・労働・余暇などの生活の条件を可能な限り障害のない人の生活条件と同じようにすること」を意味します。
ニィリエ(人名):ノーマライゼーションの原理「育ての父」。
ニィリエが唱えたノーマライゼーションの八つの原則をご紹介します。
①一日のノーマルなリズム
②一週間のノーマルなリズム
③一年間のノーマルなリズム
④ライフサイクルにおけるノーマルな発達経験
⑤ノーマルな個人の尊厳と自己決定権
⑥その文化におけるノーマルな性的関係
⑦その社会におけるノーマルな経済水準とそれをえる権利
⑧その地域におけるノーマルな環境形態と水準
①一日の普通のリズム
朝ベッドから起きること
たとえ重い知的障害があり、身体障害者であっても、洋服を着て、家から出て、学校、もしくは勤めに行く…ずっと家にいるだけではない
朝、これからの一日を思い。夕方、自分のやり遂げたことをふりかえる。
一日は単調な24時間ではない
君はあたりまえの時間に食べ、普通の洋服を着る。子供ではないなら、スプーンだけで食べたりはしない。ベッドではなく、ちゃんとテーブルについて食べる。職員の都合で、明るいうちから夕食をしたりはしない。
②一週間の普通のリズム
自分の住まいから仕事場に行き働く。そして,別の所に遊びに行く。週末には楽しい集いがある。そして月曜日にはまた学校や職場に行く。
③一年の普通のリズム
決まりきった毎日に変化をつける長い休みもある。季節によってさまざまな食事、仕事、行事、スポーツ、余暇の活動が楽しめる。季節の変化のなかで、豊かに育てられる
④ライフスタイル…あたりまえの成長の過程をふむ
子供の頃は夏のキャンプに行く。青年期にはおしゃれや、髪型、音楽、異性の友達に興味を持つ。大人になると、人生は仕事や責任が発生する。老年期は思い出と、経験から生まれた知恵にあふれる
⑤自己決定…自由と希望を持つ。周囲もそれを認め、尊重する。
大人であれば、望むところに住み、自ら適した仕事を自分で決める。家ばかりいないで、友達と遊びに行ったりする。
⑥男性,女性どちらもいる世界に住むこと
子供も大人も、異性との良い関係を築く。十代になると、異性との交際に興味を持ち、大人になると,恋に落ち,結婚しようと思う
⑦公平な賃金の保障…平均的経済水準を保証されること
誰もが、基本的な公的財政援助を受けられ,そのための責任をまっとうする。児童手当、老齢年金、最低賃金基準法のような保障を受け、経済的安定をはかる自分で自由に使えるお金があって、必要なものや欲しいものが買える。
⑧普通の地域の普通の家に住むこと
知的障害だからといって,大規模な施設に住むことはない。それは社会から孤立してしまうことにもなる。普通の場所で、普通の大きさの家に住めば、地域の人達の中にうまくとけ込めるようになる。
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